アフターコロナはよりSDGsが加速する

『持続可能な開発目標(SDGs)』の目標年まであと10年。新型コロナウィルスの世界的な感染という大きなショックで経済が落ち込んでいるが、SDGsがニューノーマル(新常態)への移行の道しるべとなる。

命を脅かす脅威となったウィルスは図らずしも、急激な働き方変革をもたらした。コモンズ投信の渋沢健会長は、テレワークの導入を通じ仕事の成果よりも勤務時間の長さが評価される日本型時間管理の人事制度が見直され、日本人の働き方が大きく変わると指摘した。報告事項だけの朝の会議に出席するために、不快な思いをして満員電車で会社に通勤していたことに改めて疑問を持つ人が増えてしまったし、報告だけならオンライン会議でいいこともわかった。本当に必要なのかどうかわからない仕事があることに気づいた人もけっこういるのではないか。日本の大企業のホワイトカラーは実は人手不足ではなく、人材配置が適正ではなかったように思える。日本企業は在宅勤務でもしっかり働ける人がいることにもっと目を向けるべきだろう。会社に行くのが仕事ではなく、成果を出すのが仕事だというマインドセットが必要だ。(日本経済新聞社開催「アフターコロナを考える」Webセミナーより)。これはSDGs5「ジェンダー平等を実現しよう」、SDGs8「働きがいも経済成長も」、SDGs10「人や国の不平等をなくそう」に当てはまる。

 

新型コロナウィルスによってストップした経済や社会は街に澄んだ空気を、海や森に生物を戻し、医療関係者や社会を支える方への感謝は思いやりを、ステイホームでは人の絆をもたらした。この数カ月で人々の行動や価値観が先に変わった。アフターコロナのニューノーマルは、経済のV字回復を期待し効率化や利益をひたすら追求するのではなく、SDGsをベースに持続可能な経済成長を求めるべきであろう。