妻に靴下をはかせてもらう部長がいる職場の女性管理職

全員活躍できる社会に!女性が活躍できる社会に!と政府の掛け声が日増しに騒がしい。こうした風潮を当の女性たちはどう受け止めているのだろうかという素朴な疑問を抱いていたら、日本経済新聞の日曜版が応えてくれた。「女性管理職、なってみたらこうでした」という記事の女性たちの本音が痛烈だ。

 

「出来ることが広がって楽しい」と素直に昇進を喜ぶ女性の一方で、「祭り上げられた感。時代だから仕方がない」という感想。その内情が、「社長命令で女性管理職をまとめてつくろうと。女性のほうは急にいわれてもと戸惑った」とあればうなづける。これではせっかくの昇進も嬉しさ半分、昇進をためらってしまう女性がいるのもおかしくない。いざ管理職になって見えてきたのは、「この人というお手本がないのがすごく不安」「すごく強く見えるみたい。いつ泣くんですか?とか聞かれる」。日常のマネジメントも思った以上に大変だ。「子供のいる部下の管理が難しい。けっきょく自分が肩代わりすることになる」「女性にはなにかあれば仕事はやめるという人がまだまだいる」

 

そういう経験からこんな発言も飛び出す。「日本の働き方は女性に向いてない。もう全とっかえしないとダメです」。女性の活躍を法律で持ち上げてはみても、現場の女性管理職が痛感するのは少々ではビクともしない男性社会の壁のようだ。「妻に靴下をはかせてもらっている部長なんている。こんな夫をかかえて女性が働き続けるのは難しい」と聞くと冷や汗が出てしまう。(10-13 岩崎)