働く女性のニーズがアイテムに落とし込まれたとき、
「かゆいところに手が届く」商品が生まれた

「FELISSIMO」は、ラテン語を語源とする言葉「FELICITY(至福)」と、強調を表す接尾語である「SSIMO」を融合させた造語。「最大級で最上級のしあわせ」を意味するその言葉通り、同社は「通信販売の会社」という枠を超えて、「しあわせをデザインする会社」として、消費者の生活ニーズに合わせた幅広い商品やサービス、プロジェクトなどを企画し、実践してきました。 シリーズ初回となる今回は、「オトナの女が選ぶ“今”着たい服」をコンセプトに、“良質”と“流行”を両立させた同社の人気カタログ「IEDIT(イディット)」発のロングヒット商品、「伸びてうれしい 華やかカットソーシャツブラウス(※同商品名での販売は終了)」(以下:カットソーシャツ)をクローズアップ。生みの親であるファッション事業部 イディット・ヒロミヨシダグループ 企画1チーム 主席主任、寺嶋明那さんにヒット商品誕生の舞台裏とこれからの展望を伺いました。

 

ファッション事業部 イディット・ヒロミヨシダグループ 企画1チーム
主席主任 寺嶋明那さん

働く女性にフォーカスしたことで消費者ニーズがより鮮明に

フェリシモのファッションカタログ「IEDIT」は2005年、同社の扱うカタログの中から、売れ筋を集めて誕生した。「IEDIT」の「I」は“私”、「EDIT」は“編集する”、つまり“私を編集する”という意味。このカタログのアイテムで自らを編集するようにコーディネートしてほしい―。カタログ名は、そんな企画メンバーの思いがカタチになったものだ。

「私が入社したのは6年前。その頃『IEDIT』はすでにお客様に支持されるカタログになっていました。カタログ名に込められたメンバーの想いを受け継ぎながら、またその想いを常に意識しながら、商品企画に携わっています」と寺嶋さん。

 

良質がわかる、流行を自分らしく楽しめる、そんなオトナの女性のためのファッションカタログ。この1冊で色々なテイストのスタイルを提案。

 

ちょうど4年前の春、「IEDIT」がリニューアルしたのは、寺嶋さんが入社した2年目のこと。それまではカジュアルやナチュラルテイストのアイテムも多かった。女性の社会進出が進む中、オンもオフも大切にして生きている働く女性たちにさらにフォーカスしていこうと、コンセプトとターゲットを見つめ直し、オンシーンに着られるアイテムをメインにカタログをリニューアル。より洗練された都会的なイメージをアイテムにも落とし込んでいった結果、ヒット商品がいくつも誕生することに。「こういう商品を待っていた!」という喜びの声が寄せられるとともに、売り上げも右肩上がりに。リニューアルは、「IEDIT」の大きなターニングポイントになった。

 

日常のちょっとした気づきから生まれたロングヒットアイテム

「IEDIT」の代表選手で、発売以来のロングセラーアイテムといえば、この「カットソーシャツ」のシリーズ。カジュアル見えしない上質で美しいカットソーを使用した、織物生地にも引けをとらないきれいな印象と着心地の良さにこだわったシャツである。寺嶋さんが一から手がけたものだ。

カットソーとは、ニット素材を裁断・縫製した、Tシャツなどに使われるカジュアルな素材。シャツやブラウスなどに用いられるパリッとした印象の布はく(織物生地)に比べて伸びやかで汗を吸いやすいことが特徴。

 

普段はあまりシャツを着ないが、あるときどうしてもシャツを着なければならないシーンがあったという寺嶋さん。「冬だったため、腕を通したときにシャツが肌に触れてひんやりと感じたんです。しかも、汗をかくとなかなか乾かず、肌に張り付くような感触がより一層不快に感じられて。生地が伸びないため、着ていると肩が凝ったり、すぐにしわになったり。シャツは窮屈感があって意外とストレスを感じるものだと思いました」。

シャツを着ることにストレスを感じている人は多いのではないか? どんなシャツがあれば楽に、しかし見た目はキレイに着られるのだろうか? こうした着想から画期的なカットソーシャツが生み出されることになった。

カットソーシャツが、ブランドを牽引するヒット商品に成長

伸びる素材で、楽に着られて、しかもキレイに見えるシャツを作りたい。そんな想いで一念発起し、商品企画をスタートしたところ、とあるメーカーから素材の提案が舞い込んだ。Tシャツのようにやわらかいカットソーだが、ほどよい厚みとしっかりとしたハリのある素材。当初は売れるだろうかと半信半疑だったが、サンプルを仕上げてみると、Tシャツ素材には見えないと社内のだれもが驚いた。

着たときにひんやりしない、襟もやわらか、ファンデーションがついてもじゃぶじゃぶ洗える、そして何よりストレスフリー。“布はく(織物生地)”のシャツに対する働く女性たちの不満を徹底的に解消することを念頭にさらなる改良を重ねていった結果、これまでになかった新しい「カットソーシャツ」が誕生した。

「今でこそカットソーのキレイ見えするシャツは、よく見かけるようになりましたが、わずか4年前の企画開始時は、お仕事服の定番でもあるシャツをカットソーで作るなど業界では考えられなかったように思います」(寺嶋さん)。

 

2012年12月の発売以来、多くの女性に支持され、丸4年で累計枚数50,000枚以上(2017.02現在)を記録。はやりすたりに成否が大きく左右されるファッション業界において、同商品はいつしか週の大半を職場で過ごす多忙な働く女性たちに支持されるマストアイテムとなり、現在に至るまでリニューアルを繰り返し、「IEDIT」のカタログやWEBで存在感を放ち続けている。

 

2012年冬号でデビューした「伸びてうれしい 華やかカットソーシャツブラウス」。2012年12月~2016年12月までの4年間で累計枚数50,000枚以上を販売。発売以来のロングセラーアイテムとして今なお進化し続けている。

 

寺嶋さんたちの職場は自由な服装がルール。にもかかわらず、働く女性たちの共感を呼ぶ商品アイデアはどこから生まれてくるのだろうか。

「私たちプランナーは、働く女性の気持ちやファッションを理解するために、各プランナーが工夫をしています。私の場合は、オフィスカジュアルを意識してコーデを考える“オフィスカジュアルDAY”という日を設けたり “OL通勤定点観測”、アンケートの実施など、独自の方法で日々研究しています。また、チームの活動としては、働く女性を対象とした座談会を定期的に開催し、リアルなお客さまとのコミュニケーションも大切にしています。そこから拾い上げたニーズが各アイテムに落とし込まれたとき、“かゆいところに手が届く”商品が生まれるのではないかと思っています」。

寺嶋さんは、東京出張の際は必ず朝8時から、ガラス張りのカフェに座って丸の内駅構内を歩く通勤OLを定点観測するという。働く女性の服装やコーディネートを観察してトレンドを察知し、得られた気づきとともに手帳に細かくしたためていく。こうした活動から働く女性の悩みや不満、ニーズを探り、それを解消することで共感を呼ぶ商品づくりにつなげていく。

 

サンプルチェックの様子。ターゲットの仮説に基づいてアイデアを具現化し、企画製作した商品サンプルをチームメンバーとともにチェックしていく。

カットソーシャツの成功から、大学生とのコラボ企画、そして新ブランドDRECOの立ち上げへ

カットソーシャツが同社のファッション事業部にもたらした成果は、売り上げ実績だけではない。フェミニンな印象の「伸びてうれしい 華やかカットソーシャツブラウス」からスタートしたカットソーシャツは、現役女子大生とのコラボ企画で誕生した「抗菌防臭ホワイトカットソーシャツ」、よりクールな印象の「ベーシックシャツ」といった更なる展開が加わることで、話題づくりやニーズの拡大にも大きく貢献した。

神戸女子大学家政学科にて、寺嶋さんは半年間の商品開発講義とコラボ商品開発を現役就活生とともに行った。

 

また、カットソーシャツの成功をステップに、「IEDIT」から新しいブランドが誕生。「働く女性を“賢女(スマジョ)”に変えたい。そのための新しいドレスコードを提案する」をコンセプトに、オフィスカジュアルに特化したWEB限定ブランド「DRECO(ドレコ)」である。スタートしたのは、2016年2月。きちんと感やマナーを求められる総合職OLとあえてメインターゲットを絞ることでマーケットの拡大に挑戦した。

「DRECO」の洋服は画期的だ。出張に便利なリバーシブルのスカートやしわにならないカットソーのワンピース、雨の日も安心の撥水加工済みの白いパンツ。働いている女性でなければわからないような着心地やコーディネート術、着用のアイデアがそれぞれのアイテムに満載されている。しかも、忙しくて買い物に時間をかけられない、何を買えばいいのかわからないといった悩みを解消するため、マストアイテムだけの厳選した品揃えで、商品選びの煩わしさを解消。消費者が悩むことなく購入できるようになっている。

「IEDIT」や「DRECO」でカットソーシャツがお客様から好評を得たことに基づき、スーツやセットアップといったラクなのにきれいなカットソーアイテムをシリーズ展開。「どれも発売する度にお客様からご支持をいただく商品へ成長していったことから、きれいめの服を着ながら楽をしたいという働く女性のニーズがあることを確信できました」(寺嶋さん)。

 

現在、秋号の商品企画中という寺嶋さんだが、次なる目標は、「これまでのカットソーシャツにイージーケアで“時短” (忙しい働く女性の時間をキープできる)という付加価値をプラスしたトップスの商品化」と、「『IEDIT』史上、究極の“布はく見え”するカットソースーツの商品化」と話す。カットソーは厚みがあり、伸びやすいので襟の形がふっくらしてしまい、布はくのシャツようにピシッと決まりにくい。縫製面でも課題は多い。しかしそれらを克服し、見ても触ってもカットソーとはわからない、織物生地にも引けをとらない究極のスーツを、近い将来、世に送り出したいと考えている。

 

「きっちり感を大事にしたい、動きやすい服が着たい、そんな私のわがままを叶えてくれてありがとう」

「こんなブランド待っていました!私のためのブランドだと思いました」

愛用者からの声が続々と企画チームに寄せられている。こうした声を励みに、寺嶋さんはアパレル業界のトップランナーとして、これからも走り続けていく。

 

提供:株式会社フェリシモ

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