誕生から15年。ロングセラーを続ける『鼻セレブ』の進化には、
3年もの月日が必要だった

王子ネピア株式会社

王子ネピアを代表する保湿系ティシュ『鼻セレブ』。花粉症や風邪の季節など、その肌触りの良さを経験したことがある人も多いのではないでしょうか。
このヒット商品が発売から15年ぶりにリニューアルされました。これまで大規模なリニューアルをすることがなかったのは、その完成度の高さゆえ。しっとりとしなやかでありながらティシュとしての役目も果たすには、丈夫さも必要です。その開発には3年以上という長い時間を要しました。
新しい『鼻セレブ』と既存のものを触り比べたときに感じる違いは、思わず声が出るほど感動的です。ここまでクオリティを上げるリニューアルに携わった生産本部の古川郁子さん、清水遥絵さん、マーケティング本部の酒井亜紀さん、手塚愛理さんにお話を伺いました。

マーケティング本部にはほかにも女性スタッフがいて、実際は女性8名、男性3名から成る。

リニューアル『鼻セレブ』開発チームのメンバーが集まって。マーケティング本部にはほかにも女性スタッフがいて、実際は女性8名、男性3名から成る。商品企画やプロモーションの仕掛け、随所に女性らしいアイデアが活かされている

時代の流れとともに「柔らかさ」から「しっとり感」へ。
お客様のニーズに合わせて、『鼻セレブ』も変わっていく

『鼻セレブ』は発売から15周年を迎える。前身であるモイスチャーティシュと比較すると、売り上げは10倍以上になるまでに成長した。その長年愛されてきた製品が2018年10月にリニューアルし、紙のクオリティだけでなく、パッケージやロゴも刷新されることに。今までの“ダブル保湿成分”に、あらたにクリーム成分を配合、“トリプル保湿”にすることで、よりしっとり柔らかになったのだ。なぜ今、リニューアルをするに至ったのだろうか。

『鼻セレブ』といえば、たくさん鼻をかんでも、潤いのあるしなやかな肌触りで、優しく包み込むような使い心地には定評のあるティシュだ。

『鼻セレブ』といえば、たくさん鼻をかんでも、潤いのあるしなやかな肌触りで、優しく包み込むような使い心地には定評のあるティシュだ。


消費者の意識が変わってきたことがあります。15年前に求められていたのは、厚みのある、ふわふわしたティシュでした。しかし、時代の流れとともに『鼻セレブ』は皆様に十分に認知されるようになり、よりしっとりとした柔らかさが求められるようになってきました。『鼻セレブ』はこれまでも、ほかにはないしなやかさと柔らかさでご期待にお応えしてきましたが、お客様の声をもとに、さらに変わっていく決断をしました。

すでに愛用者が大勢いるロングセラー商品なだけに、ユーザーが離れてしまうようなリニューアルは絶対にできません。社内からも、すでに十分売れている商品を変更する必要があるのかといった意見が上がったのも事実です。生産工程においても、手間がかかりすぎては消費者の手元へ必要な量を届けられなくなってしまいます。それらをすべてクリアした上でのリニューアルが大前提でした」(酒井さん)

マーケティング部の責任者として、製品・パッケージ・プロモーション・販促、あらゆるところに眼を配る酒井さん(右)と、『鼻セレブ』・リニューアルプロモーション企画に一から携わった手塚さん(左)。

マーケティング部の責任者として、製品・パッケージ・プロモーション・販促、あらゆるところに眼を配る酒井さん(右)と、『鼻セレブ』・リニューアルプロモーション企画に一から携わった手塚さん(左)。

既存の『鼻セレブ』よりももっと良いものを作るために何回もの調査と検討を重ね、“よりしなやかでしっとりとしたティシュ”という課題が開発チームに課されたのだ。

ワンランク上のセレブ感はそのままに。
さらなる進化を遂げるために3年の月日を要す

しかし、すでに評価されている商品の上を行くことは簡単ではない。そもそもリニューアルの開発を始めたのは3年以上前だった。もともと15周年に合わせるつもりではなく、納得いくものを作ろうとしたら、あっという間に時間が経ってしまっていたというのが実際のところだという。

「正直、ここまで時間がかかるとは思っていませんでした。でも、中途半端なものを出しても、我々が納得できないものをお客様が納得するはずはないですから。『何も変わっていない』、『前の方がよかった』と思われてしまっては、新しくする意味がありません。すでに『鼻セレブ』のファンでいてくださる方にもっと愛されるために、本当によいものしか世に出すつもりはありませんでした。自信を持ってお届けできるようになるまでに、どうしても必要な時間だったんです」(酒井さん)

ティシュとして機能するには、ただしなやかにすれば良いわけではない。鼻をかんだときに破れないだけの丈夫さも必要だ。開発者の清水さんらがサンプルとして作った試作品は何百点にも及ぶ。
「べっとりではなく、しっとり感じるものでありながら、弱すぎず硬すぎない、ちょうど良いところを探すのは容易ではありませんでした」(清水さん)
「化粧品に使われている保湿成分など、良いと思うものをいろいろと試しましたが、時には予想とは大分違うものができ上がってくることが何回もあって……。しっとりする成分をなんでも入れれば良いというものではないんです」(古川さん)

清水さんは2014年入社。当初はおむつの開発を担当していたが、異動によって2年前から『鼻セレブ』 の開発に。しなやかな肌触りを求めて、パルプの配合を追究した。時には手抄きで試作することもあったという。

清水さんは2014年入社。当初はおむつの開発を担当していたが、異動によって2年前から『鼻セレブ』 の開発に。しなやかな肌触りを求めて、パルプの配合を追究した。時には手抄きで試作することもあったという。

添加する成分だけでなく、ティシュの原材料として使われるパルプもいろいろな種類のものを組み合わせて作る。どの種類をどの割合で配合すればしなやかでしっかりとしたティシュができるか、トライアンドエラーが繰り返された。

「しっとり感を数字で示すことは、とても難しいんです。ティシュの厚みや強度を測ったり、なめらかさを示す摩擦などを測定しても、しっとりの感じ方と必ずしも相関関係があるとは限りません。新しい『鼻セレブ』 の違いをよりお客様に分かりやすく伝えるため、今回は保水力をしっとり感の1つの指標としてあげました。しかし実際には、様々な測定データを総合して判断しています。手で触った、ちょっとした感覚の違いを数値で表すのは、とても大変でした」(古川さん)

女性の比率が多い開発チームで試作品を比べて、こちらの方がしっとりしていると感じても、男性社員には違いが分からないこともあったとか。微妙な指先の感覚の違いは、女性の方が敏感なのかもしれない。
「目指したのは、新しい『鼻セレブ』を手にした人が皆、はっきりと、しなやかで柔らかいと実感していただけることです」(清水さん)
小さな差の積み重ねが、誰もが認めるしっとり感を生んだ。最終的には社内で10種類ほどの候補に絞られ、さらに工場での試作、内外による多くのモニター調査も実施し、最終的なリニューアル製品へと到達した。

旧製品との比較検討も行われた。常に一定量を安定して生産できることも条件の一つ。

旧製品との比較検討も行われた。常に一定量を安定して生産できることも条件の一つ。さらに生産量を上げるため、工場側との調整も繰り返された。また、常に目標とする品質の製品が工場で生産できるか、再現性も重要視される。

この違いを多くの人に知っていただくために
パッケージやプロモーションにも女性ならではの企画を

品質もさることながら、パッケージにも力を入れている。『鼻セレブ』のふんわりとしたしなやかさを想像させる白い動物を選んだ。
「『鼻セレブ』のイメージとなっているうさぎの画像については、納得がいくまで検討しました。パッケージ用のモデルを全国探し回り、最終的にはオーディションを行い選びました」(酒井さん)

 

オーディションを経て、目ぢからのあるうさぎを起用。「まつ毛が長く本当に美人(笑)」と酒井さんも一押し。

オーディションを経て、目ぢからのあるうさぎを起用。「まつ毛が長く本当に美人(笑)」と酒井さんも一押し。

「品質に手を抜くことなく、製品としては本当に良いものを作ることができたと関係者全員が実感していたのですが、次の段階として、そのことをより多くの消費者に知っていただくにはどうしたらいいかを考えました。自分たちがいくら『以前よりしっとりして、さらによくなりました!』と言ったところで、お客様にはなかなか伝わりません。店頭でも商品は入れ替わってしまうので、実際にリニューアル前のものと比べて、変化を知ってもらう機会がないんです」(酒井さん)
そこで企画されたのが、期間限定で開催された鼻セレブCafe“鼻屋敷”というプロモーションだった。訪れた人は、入ってすぐのところで新しくなった『鼻セレブ』と従来モデルの『鼻セレブ』を触り比べてもらう。そのほか、室内にもいたるところに『鼻セレブ』を配置し、提供するオリジナル・スイーツの“コットンキャンディブリトー”がついてしまった指先や口の周りを、思う存分拭いてもらうという趣向だ。

イメージしたのは、『鼻セレブ』が集う社交場。『鼻セレブ』のパッケージに合わせて、うさぎの執事がお客様をお出迎えする。

イメージしたのは、『鼻セレブ』が集う社交場。『鼻セレブ』のパッケージに合わせて、うさぎの執事がお客様をお出迎えする。

 

LAから日本初上陸。アイスクリームの周りをコットンキャンディで包んだスイーツ、“コットンキャンディブリトー”は新しくなった「しっとりふわふわ」な『鼻セレブ』をイメージしている。

LAから日本初上陸。アイスクリームの周りをコットンキャンディで包んだスイーツ、“コットンキャンディブリトー”は新しくなった「しっとりふわふわ」な『鼻セレブ』をイメージしている。

「鼻屋敷で新しくなった『鼻セレブ』を手にしたお客様からは、『全然違う』『本当にしっとりとしている』というお声をいただきました。品質調査は何度もしましたが、発売までは不安もあったんです。今回、鼻屋敷に足を向けてくださったお客様には、以前から『鼻セレブ』をご愛用いただいている方々もいらっしゃいました。認めていただけたことはとても嬉しく、また改めて『鼻セレブ』の良さを感じていただけたことにホッとしています」(手塚さん)

酒井さんと手塚さんは約1年前から、このカフェの構想を練った。アンティークな「セレブ」のイメージを伝えたいのに、デザイナーが最初に提案してきたのはモダンでクールな「セレブ」のイメージだった。『鼻セレブ』のイメージを鼻屋敷で表現するために、何度ダメ出しや修正を繰り返したかわからない。
「企画段階では空間を実際に見ることができないので、パースで判断するしかありませんでした。実物を初めて見るときはドキドキしましたね。イメージ通りにでき上がったと思います。おかげさまで当初4000人のご来場を目標としていたのですが、それを大きく上回る1万人以上の方にお越しいただきました」(酒井さん)
妥協を許さない姿勢はこんなところにも表れていた。

 

提供:王子ネピア株式会社 https://www.nepia.co.jp/

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