テレワーク導入で効果があった企業は8割

11月に入った。今月は「テレワーク月間」だ。政府・総務省は毎年、この機会を使って多様な働き方の可能性や啓蒙を通じて、企業の導入を後押ししている。野田聖子総務相も30日、自宅や外出先などで仕事をする「テレワーク」の体験デモを行なった。日経新聞(10-30)が伝えた。

 

野田総務相は省内の執務室でタブレットを使い、各地のテレワーカーに声をかけた。北海道の病院で療養中の男性会社員は院内で仕事をしている。男性は「同僚とも近くにいる感じで仕事が続けられる」とメリットを語る。総務相は体験後、「自然体で話が出来る、少人数の会議はこれで十分」と感想を述べた。この7月にはテレワークの集中実施日として同様の体験に900社を超える企業が参加して関心が高まったそうだが、そうはいっても企業の総数に対してはまだ微々たる数字だ。またセキュリティーや労務管理上の課題も多い。さらに導入企業はIT(情報技術)系に片寄っており、課題山積といったところだろう。今回の「テレワーク月間」は、子育てや介護、病気療養中でも離職せずに仕事を続けられるという実体験の機会だった。

 

「平成27年通信利用動向調査」(総務省)によるとテレワークを「導入している」企業は16.2%、「導入していないが、具体的に導入予定がある」と答えた企業と合わせても全体の2割程度の導入率だ。だが、すでにテレワークを「導入している」企業のうち、テレワーク導入で「非常に効果があった」と「ある程度効果があった」を合わせて8割以上の企業が「効果があった」と認めているのだからもう少し普及にドライブがかかってもいい。

従業員の確保の点からも、選択肢として働き方の多様化に取り組む企業が1社でも多く増えることを願いたい。