2020年には女性管理職30%目標。問題は数合わせでなく登用の水準

女性戦力化が叫ばれて、女性管理職30%という目標が掲げられている。日本全体で非管理職の女性6人に1人の登用が必要になる計算。採用戦線に変化が生まれ、在職中の女性の評価も変わってきている。さて、数合わせでない登用はできるのか?
 
目標達成には、過去5年間のペースの5倍速で女性を管理職に据えなくてはならない。このような数字で女性管理職問題をとらえたのは日本経済新聞の「働くNEXT」欄だ。新卒採用ではリケジョと呼ばれる理系出身の女子の争奪戦が始まっており、文系でも、社外役員候補として女性弁護士に熱い視線が注がれている。東京などの弁護士会が作った280人分の名簿を全部コピーする企業もある、という。在職中の女性の評価や登用のしかたもこれまでとは違ってきている。某大手企業で、同期のトップを切って執行役員になった40歳代の女性がいる。総務系でキャリアを重ね、仕事熱心で調整能力が高いと評価されたが、抜群の実績があるわけではない。社内からは「女性だから」という声が聞こえ、本人は「早く結果を出さなくては」と必死に取り組んでいる様子だ。経営が多様な視点をもつことはこれからの時代の企業に不可欠だ。そのために女性管理職への期待が高まる。数値目標に追いかけられた数合わせではなく、職場の事情をしっかりと見据えた登用が問われる。
 
多様な視点は経営にメリットをもたらすが、社内にさまざまな不満がくすぶっては元も子もない。専門知識、資格、女性、という以前に「会社にどう貢献するか」を重視し、男性にも納得のいく人事をする力が問われよう(藤井)。