仕事をしたい女性が関西から東京へ逃げ出している?

気になるデータを日経新聞(1-30)が紹介している。関西では女性が仕事をしている割合が全国平均より低いという。諸説あって、「女性は家庭という考えが根強い」「企業の本社機能が東京に移ったため憧れの仕事が減った」というのから、「資産が多く働く必要がない」という見方もある。

 

要因はいくつもあるようだが、これは関西の経営者にとっては不名誉なことだろう。女性の就業率を上げようと、企業には育児や家事と仕事を両立させる支援策が求められている。通信A社の女性マーケティング部長は500人の部下を抱える。残業は半減、会議は30分という方針を掲げ、決まった時間内に仕事を終える工夫を重ねている。効率向上と無駄な仕事の削減で25%ずつ減らせば達成できるという計算だ。

関西人らしく、制度よりも風土を重視する経営者もいる。制度をつくっても利用しにくい雰囲気があれば機能しないからだ。金属販売のA社は「お互い様経営」と称して男女を問わず家族のための休暇取得を奨励する。有給休暇の消化率は70%に達したが、生産性も上がるという結果につながった。

 

奈良、大阪、兵庫は女性の就業率で全国ワースト3というのは意外だったが、関西出身の知人にこうなった理由を聞くと、「自分の収入だけで家計がまかなえる」と思いたがる男性が多く、それが最大の理由じゃないかと言う。こうして就業意欲の高い女性は仕事を求めて首都圏に移動するのだ。たしかに制度より風土かもしれない。