生産性向上をめざして長時間労働を「是正した」11.4%、「是正中」85.1%

日本経済新聞の「社長100人アンケート」で、経営者の8割が生産性の向上を目的にした投資を前向きに考えているという結果が出た。投資をどの部門に振り向けるかという質問では、製造、営業・販売、業務管理、研究開発、顧客対応の各部門が続いた(日経3-15)

 

具体的に考えている投資規模は46.8%が「100億円未満」、21.3%が「200億円未満」だった。1000 億円以上の大規模投資に意欲を示す経営者も14.9%いた。2020年までに生産性向上のため1000億円の投資を考える日本電産の場合、工場の自動化、開発部門へのスーパーコンピュータの導入などを検討する。

長時間労働への規制が厳しくなり、労働基準法の改正も時間読みになってきた。このアンケートでは、生産性の向上が長時間労働対策につながると経営者が考えているのも浮き彫りになった。大半の企業はすでに対策を講じており、その割合は「是正した」が11.4%、「是正中」が85.1%だった。産業界が確実に「多様な人材が働きやすい環境」に向けて動いているのは間違いない。

 

アンケートの回答には「AI(人工知能)やIoT(あらゆるものがオンラインでつながる)などの先進技術を積極的に活用し、生産性を飛躍的に向上させたい」というMS&ADインシュアランス社の意見なども見られた。ヒト、モノ、カネが「働き方改革」を契機に、新しい意味をもって関連付けられている様子がうかがえた。