液体ミルク解禁で「女性活躍」のスピードを上げる

女性の社会進出、女性活躍にあの手この手でまい進する安倍政権だが、今度は国内でまだ販売が認められていない乳児用液体ミルクの解禁に取り組むという(読売10-19)。液体ミルクは封を開けてすぐに乳児に飲ませられるので育児の負担を軽くし、男性の育児参加につながると期待されているからだ。

それほどの液体ミルクがなぜ日本で許されてこなかったかというと、品質面で保存中に茶色く変色したり、カルシウムが沈殿するなどに加えて、製造、流通コストのせいで価格が高くなるなどの問題があるからだ。液体ミルクの普及に取り組んでいる一般社団法人「乳児用液体ミルク研究会」が行なったアンケート調査では4割弱の女性が「ぜひ使いたい」と答え、国内での製造を求める署名が4万人を超えた。

日本では乳児用ミルク=粉ミルクという認識が強い。まずやるべきは液体ミルクについての国民の関心を高め、乳業メーカーの参入を促すことだろう。前述の研究会では「ようやく議論の入り口。今後、子育て中の人だけでなく子どもを持つ予定の人も関心を持ってもらいたい」と話している。政府が液体ミルクの解禁を進める姿勢を明確にすることで乳業メーカーの取り組みに拍車がかかることは間違いない。次に待っているのは関連する省令などの改正、安全性の試験など。液体ミルクの普及には当分時間がかかりそうだ。