学校の働き方改革。やるのは、「今でしょ!」  

 

働き方改革は学校の先生にも波及する。文部科学省の調査によると、公立の小中学校教師の勤務時間は平日11時間以上で、「過労死ライン」の割合も多いという由々しき事態だ。仕事に熱心なあまり心の健康にも影響が出ている先生の働き方をどうしたらよいのか。読売新聞(5-18)が本紙で特集を組んだ。

 

現在の勤務時間は長すぎる。それは現場の先生だけでなく、校長、副校長、教頭まで、すべての職位に及んでいるというから、これはすぐに対応しなければならない緊急事態だろう。原因としては学習指導要領の改定で授業時間が増えたこと、経験の少ない若手教員が増えて授業準備に時間がかかってしまうなどいくつもあげられる。小中とも副校長・教頭の勤務時間が一番長い。誰よりも早く出勤し、誰よりも遅く退勤するという役回りだからだ。解決策はどれも時間のかかることばかりでついついタイミングを逃してきた。働き方改革への関心が高まっている今を逃せば改善のチャンスは当分来ない。部活の指導時間に上限を設ける、教師1人当たりの生徒数を20人以下におさえる、保護者対応やデスクワークの効率化、先生同士のコミュニケーションを阻むような職員室のあり方も改善が必要だ…。どれも待ったなしの課題が数えきれないほどある。

 

学校における働き方改革は、たんに仕事を早く終えて帰るということでなく子どもたちがよい環境で学べるようにするのが最終目標だ。本気で取り組めば意外に短期間で解決できるという意見もある。やるのは今なのだ。一時流行った「今でしょ!」という言葉が浮かんでくる。