女性管理職30%目標を達成する知恵

いよいよスタートした「女性活躍推進法」だが、この法律の目標の柱の一つは女性の管理職比率30%というものだ。そこで現状はどうなっているのかを日本経済新聞が施行直前に「社長100人アンケートで明らかにした(3月27日)。衝撃的なのは現在、女性管理職が「ほとんどいない」(45.6%)と「1割前後」(37.9%)合わせて、9割近くの企業で法律の定める目標とは絶望的なところにいることだ。

30%という数字は従業員規模300人以上の企業に等しく課せられ、公表されるわけだが、この規模の企業だと女性の採用はもともと少なく、管理職に育てようにも候補となる母集団が小さいという現実がある。要するに、30%を2020年の期限までに達成しようとするなら、社内で育てるのは無理なわけで、いきおい中途採用などで間に合わせるほかはない。このことは2020年の目標を聞いた答えが「1割前後」(49.6%)、「2割前後」という結果であり、企業が先行き悲観的なことからも分かる。では事態を改善するにはどうしたらいいのか。経営者は女性管理職を増やすには環境整備が必要だとして、「男性社員の意識改革」(77.8%)もさることながら、女性従業員の「育休からの復帰支援」(82.2%)を1位にあげており、なげやりにならず、現実的な施策で目標達成の構えのようだ。

こうした動きを横目で見ながら、働く女性の間では管理職という目標に対してさめたとらえ方をする向きもある。管理職としてがんばっている男性の真似は、自分たちには出来ない、あるいはやりたくないというのだ。家事、育児、夫の世話に加えて、部下の面倒まで見ていられるかと、そういう見方があってもおかしくない日本の企業社会だ。