女性は管理職に向かない!?登用を阻む無意識の偏見

「育児中はきつい仕事は無理」「女性は管理職に向かない」など思い込みを持っていないか?近年、働き続ける女性は増えたが、登用は遅れが目立つ。要因の一つは誰にでもある「無意識の偏見」(アンコンシャス・バイアス)。知らず知らずの思い込みが判断をゆがめる。(日経02-04)

 

 

米国など海外のダイバーシティ(人材の多様性)の動向に詳しいコンサルタントのパクさんは無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)とは「特定の人や属性に対して知らず知らずに持つ偏った見方や意見であり、人間の機能として持っていて誰にでもある。無意識に対しては意識で対応するしかない。まずは何にどういう偏見があるか認識することが必要」と説く。

例えば、企業において「まじめ」など同じ単語でも、強みか弱みか評価が分かれる。ものの見方は様々であり、それを受け入れなければ組織の多様性を生かせず、女性の活躍にもつながるインクルージョン(包摂)環境をつくることは難しい。
そして、女性の活躍という点で、無意識の偏見がさらに問題なのは「採用や昇進といった意思決定で判断をゆがませること」とパクさんは言う。無意識の偏見による上司の配慮は部下の成長機会を奪いかねず注意が必要だ。
だが、配慮が不要なのではない。「『育児中の女性だから』といった画一的な対応こそ避けるべきだ。大切なのは、キャリア意識や働くうえでどんなニーズがあるか、個人として相手を知ること。知らないから個別対応ができなくなる」とパクさんは意思疎通の大事さを説く。

社内アンケートで人事評価に男女差はないか管理職と一般社員の意識を比較したり、男女の異動機会や配属先から仕事の与え方を確認したりするなどデータや客観的事実の把握がその助けとなる。
誰もが持っている無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)。まずは意識とコミュニケーションが大切だ。