女性の活躍とマイナンバーの意外な関係

日本の女性は結婚すると大抵の場合、夫の姓に変わる。しかし、職場で働く女性の場合は違う。民間企業の65%が仕事上の旧姓使用を認めているように、結婚後も旧姓をそのまま使う女性は珍しくない。こうした事情に関連して、このほどマイナンバーカードや住民票に女性の旧姓が記載できるようになったと読売新聞(8-21)が伝えている。

このニュースがなぜ女性活躍に役立つかといえば、マイナンバーカードが身分証明書として利用できるからだ。マイナンバーカードに旧姓が記載されれば現状の様々な不便が一気に解決できる。従来の運転免許証や住民票など公的な身分証明書には旧姓が記載されていない。だから日常、旧姓で活動している働く女性には本人確認が必要になる場面、例えば保育園の申請などで住民票に記載された姓と、職場からもらった勤務証明の姓が異なっていることでそれを証明する必要が出てくる。旧姓で開設した預金口座を解約する場合などで旧姓を証明出来ず手続きに手間と時間を強いられる。これらの不便は以前から指摘されてきたことだが、身分証明書として利用できるマイナンバーカードや住民票に旧姓が記載されることで多くが解消されるのは間違いない。

最近は女性活躍、総活躍などの任務を負って新しい行政組織が誕生することが珍しくない。そうすることで省庁の微妙な垣根に潜んでいた問題が明るみに出てくる。マイナンバーカードも工夫次第で働く女性を応援出来るというケースの一つだろう。旧姓記載は関係政令の改正を待って実施される。

(岩崎8-23)