女性にできない仕事はないが、はたらく環境がついていけない

日本経済新聞が女性活躍推進法施行後の企業の取り組みを追跡している。6月14日の朝刊では、「できない仕事はない」というタイトルで建設現場や深夜勤務でがんばる女性たちをレポートした。

 

都内の再開発地区のマンション建設現場では28歳の女性の現場監督が指揮をとっている。約50人の作業を管理する。ポンプを運ぶなどの力仕事もやるが、指先はネイルアートで飾られている。入社当初は現場の作業員から白い目で見られることもあったが、持ち前の明るさで現場に溶け込んだ。この建設会社では女性の現場責任者は10年間で10倍、140人に増えた。

広島・福山にあるジーンズ素材メーカー。従業員700人のうち女性の管理職がたった1人である理由は深夜勤務があるためだ。この勤務体系が嫌われて女性の活躍を妨げてきた。しかし、社運を賭けて建設したタイ工場は従業員の多くが女性。タイの現場を指揮する女性リーダーを育てようと会社幹部は焦りの色を隠せない。

 

「できない仕事はない」と、現場へ進出する女性の姿が目立っているが、国土交通省はこれを受けて働く環境の改善に乗り出している。この夏から力を入れるのは建設現場のトイレだ。現場で働く女性は全体の3%だが、それでも10万人を超える。現場では男女別、洋式、水洗式トイレの普及を進める。しっかりしたカギや洗面台、鏡も付ける。女性が活躍する最前線の様子を象徴的に伝えるニュースだ。