女子社員の難敵、長年の空調論争に解決策はあるか

働く女性にとってオフィスの室温や湿度は大きな関心事であるようだ。よく女性同士で話題にしているのを聞く。健康にもお肌の美容にも影響するし、はては働く意欲にもつながってくるから、この問題に無神経な経営者や管理職は女性社員に総スカンを食らっても仕方がない。アメリカWIRED USメディアのコラムニスト、N.ストックトン氏がオフィスの空調について書いている。

 

同氏によると、たいていのビルの空調管理の基準は男性をもとにつくられているという。男たちが袖をまくって快適に仕事をする一方で、女子社員は肌寒く感じてカーディガンやセーターを羽織って震えている。彼女たちにとっては大げさにいえば冷凍庫状態なのだ。最近の研究によると、ビルの断熱材は女性にとって十分に機能していないことが分かったそうだ。問題点は一つのことに集約される。空調の基準になっているのは、女性より多量の熱を発する「男性の新陳代謝率」だというのだ。新陳代謝とはエネルギーを体内につくるための必要カロリーのことだ。そこで問題になるのは女性の新陳代謝が男性より低く、男性が快適と思う室温でも女性は寒いと感じてしまう。

 

どうしたらよいのか。解決策の一つは過半の人が快適と思えるようにエアコンを設定することだ。だが、この平均をとるというお手軽なやり方は、今でもやられていることだ。この記事では、議論すべきは人間が温度を「どう感知するのか」という点にあるとして、具体的な解決策を示していない。男性と女性の空調論争は当分続くのである(8-24高橋)。