「女性活躍」はウソですか、と吠える日経新聞

政府が配偶者控除の廃止を見送る動きが強まっている。政府の唱える女性活躍はウソだったのか、働く女性の多くは「やっぱりダメか」と感じるのではないかと、珍しく日本経済新聞のコラムが吠えている。(日経10-7)

 

年末が近づくと毎度のことながら繰り返される論議だったが、今年は違った。働き方改革を進めるうえでその基盤ともいえる制度の変更という意味があるからだ。だが、それが出足でつまずいている。配偶者控除は年収103万円以下の配偶者をもつ人の所得税を軽減するしくみだ。このため妻は103万円を超えないよう働く時間をおさえることになる。働く女性のすそ野を広げようとするときにこれでは矛盾した制度になる。そこで浮上したのが「夫婦控除」という新しい税制だ。配偶者控除は専業主婦に恩恵があるが、夫婦控除は夫婦であれば共働きでも控除が受けられる。だが、配偶者控除よりも対象が増えるとあって財務省が難色を示し、実現するには年収による対象制限などを条件とした。

 

さらに変数となるのが来年予想される衆院選挙で、配偶者控除の廃止で負担が増える世帯が多くなれば専業主婦の反発が強くなりかねないという消極論が広まっている。「働きすぎないほうがトク」と主婦に感じさせる制度を続けるのは整合性に欠けるという同紙の指摘はもっともだが、堅固につくられた壁を取っ払うのは時間がかかりそうだ。