ビザ、保育園、オフィス…ダイバシティ最前線の戸惑いと悩み

日本で働く外国人が100万人を超えた。この5年間で6割近く増えた勘定になる。国籍別では中国、ベトナム、フィリピンの順に多く、伸び率ではベトナム、ネパールが高い。彼らの、異国で働く苦労はどんなものか。日経電子版(7-22)のレポートだ。

 

「入管の大行列にうんざり」「ハンコって面倒」「クレジットカードの審査が通らない」

など、ある程度予想できた答えのほかに、人によっては意外な本音も吐露された。

「永住権取得も視野に入れて高度専門職の在留資格を取得した。一定の条件で親を呼び寄せることができるが、そうすると保育園の申し込みで減点になってしまう」(人材サービス・35歳・台湾)

「日本で会社をつくった。経営管理ビザの要件としてオフィスの確保が必要。しかし、私の仕事は取材に飛び回るからオフィスなど要らない。見つけるのも難しい」(映像制作・36歳・フランス)

米国出身のマイケル・コボウさん

「日本に10年在住したら取れる永住権に不満。学生時代に日本で留学して、米国の大学を卒業するために帰国すると在住期間がリセットされた。永住権がないとお金も借りづらいし、家も建てられない。もう少し柔軟な制度にならないか」(銀行・27歳・アメリカ)

 

わが国の外国人労働者導入は世界でも有数の厳しさで知られる。誰もよいというのでなく、優れた人材に限って歓迎するというのが方針で、積極的に受け入れたいのは「高度外国人材」という分類。働いてもらうと産業にイノベーションをもたらし、日本人の刺激になるというレベルの人材だ。しかし、せっかく本人もその気になって日本にやってきたのに、生活に不便をきたしてはどうしょうもない。はた目にはなんとでもなりそうな悩みに見えるのだが。