パワハラ防止へ法整備 相談窓口設置を義務付け

厚生労働省はパワーハラスメント(パワハラ)の防止策づくりを企業に義務付ける法律を整備する検討に入った。働き手の生産性や意欲の低下にもつながるパワハラに法のメスが入る。(日経9-24)

パワハラ問題は深刻になっている。全国の労働局に対する労働相談によれば、パワハラを含めた「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は17年度で約7万2千件にのぼり、6年連続で最多を更新した。厚労省の16年度の調査によれば、企業で働く人の3人に1人が「過去3年間にパワハラを受けたことがある」と答えた。企業のパワハラ対策には規模による隔たりが大きい。厚労省の16年度の調査によると、従業員1000人以上の企業は約9割が対策していたが、100人未満の企業では3割に満たない。
同じハラスメントでもセクシュアルハラスメント(セクハラ)は男女雇用機会均等法、マタニティーハラスメント(マタハラ)は育児・介護休業法などで企業に防止措置が課せられた。パワハラは企業の法的な義務がない。

そこで、厚労省は新たに相談窓口の設置や発生後の再発防止策を企業に義務付ける。企業への罰則は設けない方向だが、悪質な企業は公表し、抑止効果を高めることも検討する。2019年の国会へ関連法案の提出をめざす。

職場の雰囲気を悪くし、従業員の心の健康を害するパワハラ。働き方改革は側面でも進められている。