10年後の日本企業では「場のデザイナー」が活躍している

 

日本経済新聞の読者参加企画、「未来面」は、世代を超えた読者が日本の課題を議論するという意欲的な記事コーナーだ。今回は「女性や外国人が活躍することで10年後の日本企業はどう変わりますか?」という問いに対する若い読者の意見が興味深い(日経4-23)。

オフィスの空きスペースの活用で企業の課題解決に取り組む(一宮沙希さん 早大・文化構想学部4年)

10年後の日本企業では「場のデザイナー」が活躍しているだろう。フレックスタイム制やリモートワークの導入が進んで、同じ時間帯に会社に出社する人が減り、社内の場所に空きが生まれることが予測できるからだ。空きスペースの活用しだいで、企業の課題解決を促す場や企業ビジョンの象徴となる可能性は大いにあり得る。例えば、皆が気軽に意見を交わしあえるカフェになるかもしれないし、外国人社員と日本人社員の子どもたちの異文化交流を兼ねた遊び場になるかもしれない。日本企業において女性や外国人が活躍するためには、育児休暇や外国との時差といった諸問題を解決する必要がある。解決にあたりフレックスタイム制やリモートワークの導入はさらに進むだろう。10年後、場のデザイナーが、限られた空間に新しい価値を生みだすことを私は期待したい。

最近、企業の研究開発方式として注目されているのが「オープンイノベーション」だ。2000年代の初め、米ハーバードビジネススクールで提唱されたものだが、既存の枠組みを超えた人材が社外から様々なアイデアや技術を企業の中に持ち込んで、新たなビジネスモデルを開発しようという試みだ。旧来型のイノベーション手法と異なることで、日本でも大手企業を中心に対応する動きが出ており、そうした場所としてのオープンイノベーション空間への取り組みも進んでいる。