さらば終身雇用、フリーで複業

働き方改革関連法による同一労働同一賃金導入で、企業は正社員中心の人事制度を改めるよう迫られる。働く人のうち正社員以外は約4割。企業の寿命が短くなり、正社員はリスクだと考える若者もでてきた。そこで増えているのが副業でフリーとして働く「複業」だという。(日経02-19)

 

 

 

クラウドソーシング大手ランサーズによれば日本のフリーランス人口は3年で2割増え、1119万人となった。副業でフリーとして働く人が急増している。

慢性的な人手不足の問題を抱えているIT業界では働き手側が強気だ。

企業は案件に応じて必要なスキルを持ったITのプロと契約することが多いが、人材各社の扱う月収100万円超えの非正規の雇用求人は年に数倍のペースで増えている。今までは、フリーのITエンジニアといえば経験を積んだ40代以上が相場だった。だがギークス(東京・渋谷)など彼らと企業を結ぶ仲介大手では20代が登録者の4割近くまで増えた。彼らは技術を高める新しい仕事を数ヶ月単位で選べるのが魅力という。

正社員でみんなと同じように働いても自分の価値は高められないと「複業」をする社員を推奨する企業も増えている。多方面にアンテナを張る意欲や感度は企業の成長に欠かせないとしているが、終身雇用や昇給を保証できない企業側の事情も後押しをしている。

リクルートキャリアが新卒学生に働きたい会社を尋ねたところ「どこでも通用する能力が身につく」との回答が昨年の6割から19年卒は72.3%になった。どの会社ではなくどこでも働ける有能な人になりたい。就職の概念も変わり、働き方の多様化が訪れた。