これまでは女性が変わってきた。これからは会社のほうが変わる?

 女性は結婚や出産、子どもの成長、親の介護など、仕事が続けにくくなる事情が男性に比べてはるかに多い。入社時に決めた条件では働きにくくなる。働き方を変えられれば転職やパートで働くこともないのだが、これまでは女性たちのほうで条件を落として働くのが普通だった。しかし、最近は会社のほうで変わろうという動きが目立ってきたと読売新聞がレポートした。

 IT企業の「サイボウズ」では3種類の勤務時間、オフィスで働く時間を3種類のパターンから選ぶという「選択型人事制度」を取り入れている。社員はA仕事重視か、B生活重視か、Cその中間か、それぞれの事情に合わせて計9種類の働き方から選べるわけだ。現在のところ75%がAパターン、5%がBパターン、20%がCパターンという割合で、子供の成長に合わせて働き方を変えることが出来ると社員にも好評のようだ。
「りそなホールディングス」は正社員とパート勤務の間の垣根を思い切って低くした。子育てや介護で正社員から一度パート勤務になっても条件しだいで正社員に戻れるようにした。またパートで入社した人が正社員になれるような登用制度も設けている。さらに残業がないなど、勤務条件が通常の社員より緩和される「スマート社員」制度も導入した。

 経済同友会の昨年調べによると、働きやすい環境をつくる企業側の工夫として「短時間勤務」が89%、「残業の削減」が85%、「テレワークや在宅勤務」の導入が34%ということだ。だが、実際には利用されなかったり、簡単な仕事しかさせないという例もあるそうだから、柔軟に働ける職場を一緒になって育てていく姿勢が必要だ。