「高度人材」が家族やお手伝いさんを連れて東京にやってくる

東京の小池百合子知事が築地移転問題ではらはらさせながら、一方で東京の「国際金融都市」構想へ意欲的に動き出した。まず2020年までに40社の金融系外国企業の誘致を目標にあげた。さらに金融関係の高度の海外人材を招き、東京での起業をすすめる。国家戦略特区を活用した規制緩和や、在留資格の要件緩和、外国人向けの生活サービスにも力を入れる。日経電子版(4-20)が詳しく伝えている。

 

東京都は政府が開く特区の専門家会議に都知事としての要望を示す。その骨子は手続きの見直しや生活環境の整備の2本柱で日本で働く外国人を増やそうというもの。例えば外国人が日本で起業する場合、「経営・管理」という在留資格が必要になる(昨年末の時点で、東京でこの資格を持つ外国人は2万1877人。ほぼ半分が中国人だ)。この母集団を増やすため、政府は起業の6カ月前から準備作業に入れるようにしているが、東京都はさらに6カ月早め、1年とするようつもりだ。これで創業前に取引先の開拓などが可能になり、東京での起業のメリットが大きくなる。

 

「経営・管理」や「研究者」などは、政府の定める「高度人材」に属することが多い。入管規定で資格要件がもっとも厳しい「高度人材」と認めれれれば、例えば研究の仕事をしながら営利事業にも携われるなど、日本での活動範囲が広がる。東京都は一緒に暮らす親や家事使用人を日本に帯同させやすい態勢づくりも国にうながして、事業立ち上げと生活支援をセットにして進めたい考えだ。企業にとってはダイバーシティマネジメントの巧拙が問われる時代が現実のものとなってきた。