「子どもが出来たら仕事を辞めて、大きくなったら復帰する」が過去最低

政府がこのほど発表した女性の就業についての世論調査(男女共同参画に関する世論調査)が興味深い。この25年で初めて「子どもがいても仕事を続けるほうがよい」との答えが半数を超え、これを読売新聞が「働くママ賛成54%」と大きく報じている(10-30)

 

この内閣府調査は全国の18歳以上の男女5000人を対象に1992年から行っているもので、今回の結果は、働く女性の増加や育児の男女共同の意識の高まりが背景にあると同紙は伝えている。1992年に最多だった「子どもが出来たら辞め、大きくなったら職業を持つ方がいい」は過去最低となり、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考えに反対の人も54.3%と7年ぶりに5割台にのぼった。年月がたつとかくも考え方が変わるのかと驚くばかりだ。政府の女性活躍の掛け声が功を奏したところもあるだろうが、それ以前に、日本人の男女意識の変化がいかに加速化しているかの証左といったほうがいいだろう。

 

その反面、同調査で職場での旧姓使用の希望について聞いたところ「使用したいと思わない」が62%であり、女性だけの回答では70%にのぼったことから、うわべの男女平等よりも実質的な男女格差に敏感な女性たちの態度がうかがえる。(岩崎)