「働き方改革法案」がいよいよ採決へ

3年前の労基法改正に始まった「働き方改革関連法案」も、今国会でようやく審議が終了しようとしている。
日経新聞(5-22)によると、野党との論争で最後まで争点となったのは以下の3つだ。

①脱時間給制度の適用者が自分の意思で離脱できる規定を明文化する
②大企業による中小企業へのしわ寄せを防ぐ努力義務を定める
③働き方改革のための労使代表者らによる協議会を設置する

1947年の労基法制定以来、時間外労働の上限が定められるのは初めてのこと。過労死がクローズアップされている今、それは一歩前進と言えるのかもしれない。ただ、一律で「年720時間、1カ月では休日出勤も含めて100時間の上限」とする規定が本当に働き手の実態に即しているのか――そんな疑問も残る。
ある調査によると、サラリーマンやOLの間では「働き方改革後も働き方が変わらない」と考える人の割合が半数に上った。その理由として挙げられたのは、「取り組みが実態に合っていない」というものだ。(エン・ジャパンアンケート調査)
勤務時間・条件の改善、正社員と非正規社員との処遇格差の是正などといった問題の解決は、働き手を守るだけでなく、企業にとっても「安定した労働者の確保」や「生産性の向上」につながる重要なもの。政府は国会での審議に長い時間をかけてきた。この改正は今後、どのように日本の働き方を変えていくのだろうか。